マルチ商法は友達をなくす？いいえ、家族の絆すら壊します。
マルチ商法にハマって友達をなくすとは良く聞きますが、今回は私の家族に降りかかった、マルチ商法のトラブルについて書いていきます。
このトラブルは友達はもちろん、血の繋がった家族の絆すら壊します。現在進行形です。
私はこの会社に対して、怒り・憎しみといった負の感情を抱くまで至りました。
水溶性核酸ドリンク
事の発端はかれこれ10年以上前、私の義理の母が、知人から勧められて、水溶性核酸ドリンク（正式には「核酸ドリンク ナチュラルDNコラーゲン」）という飲料を飲み始めたのがきっかけです。
720mlのビン1本が、税抜8,600円。会員のみ購入できるというものです。
私は価格までは知らなかったので、最初の頃は妻の実家に行ったとき、勧められるがままに飲んでいました。特に美味しいわけでも不味いわけでもない、「当たり障りない味」でした。
義母は人を信じやすく、TVの通信販売の番組を見ては、使いもしない健康器具を何度も買ってしまうような人でしたので、この時はまだ、通販の売り文句に踊らされて購入したのかな？・・・程度の認識でした。
セミナーへの参加
雲行きが怪しくなってきたのは、義母が頻繁に核酸ドリンクのセミナーに行っていると、妻から聞かされてからでした。
このドリンクは、会員のみに販売されるもので、その会員向けに、頻繁にセミナーを開催しているのだそうです。
そしてついに、私たち一家にも、セミナーへ参加してみないかとお誘いがありました。
義母からのお願いなので断りきれず、ただ行くだけだと念を押して、セミナーに参加することになってしまいました。
会場には年配の方がたくさんおられ、講師？の方の話を真剣に聞いているようでした。
直接的な表現は避けていたようですが、損傷したDNAを治すには、DNAを摂取する必要がある云々・・・と。
同じ部屋にいた販売員（義母に勧めた方）もわざとらしく相槌を打ったり、「これを飲んで健康になろう！」「おー！」とはやし立てたり、異様な空気に包まれていました。
表現が適切ではないかもしれませんが、マインドコントロールのような気持ち悪さに、途中で部屋を出ました。
その後も義母は頻繁にセミナーに参加したり、自宅の一室でシークレットセミナーなるものを開催したりと、どんどんのめり込んでいきました。
購入の実態
義母自身がどれだけこのドリンクを購入しているのかは知りません。しかし、既に結婚して家を出ている義姉一家にも勧めていて、我が家にまで購入を迫ってくるようになりました。
ダウンというのでしょうか？ 自分が販売したうちの何割かが還元されるシステムらしく、マルチ商法ではお決まりの「まずは身内から」を絵に描いたような勧め方でした。
成果は販売価格10,000円単位らしく、ドリンクと化粧品を1セット、1か月に1度、購入させられました。
義母の頼みだからと、2年ほどは購入を続けていましたが、家計が苦しく、退会しようとしたところ、義母の態度が豹変しました。
私の妻に「なぜ実の親に協力できないのか！」と捲し立て、まさに目の色が変わっていました。 我が家の一口がなくなるとランクが下がるとか言っていました。
結局、我が家も支払えないものは支払えないので、妻の名義だけ貸して、義母が自腹で払い続けることになりました。
自営の義父母は既に年金暮らし。とはいえ、国民年金なので余裕のある暮らしとは言えません。
毎月、何本もの核酸ドリンクを購入して、ランクを維持しているようです。
義母に核酸ドリンクを勧めた販売員は、かなりランクが高いらしく、相当な報酬を得ているようですが、それも義母をはじめとした、末端会員から搾取しているものです。
距離をおきはじめる知人・親族
自分の健康のために、必要な分だけ購入しているのなら止めませんが、その販売員の入れ知恵なのか、自営である実家のお客さんにも片っ端から勧誘しています。
得体の知れないただの清涼飲料水、しかもかなりの高額商品が、そう簡単に売れるわけもなく、マルチ商法だとわかっているお客さんは、次第に離れていきました。
親戚なども、初めのうちは付き合いで購入していたようですが、徐々に退会し、距離をおくようになってきました。
私も妻も、何度か説得を試みましたが、完全に洗脳されていて、全く聞く耳をもってくれませんでした。
以前は幼い娘を預かってくれたり、面倒見てくれたりしていましたが、上記のような状態になってからは、妻と義母の親子喧嘩が絶えなくなりました。
もはや義母自身が気づいてくれるまで、関わりを断つ以外に方法がなく、意図的に避けるようにしました。
それでもお盆と正月には顔を見せに行くのですが、帰りがけに大量に渡される未開封の核酸ドリンクみると、全く気付いていないのでしょう。
きっと、販売元が破綻してなくなるか、購入するお金がなくならない限り、義母が洗脳から解放されることはないでしょう。
仲の良かった家族を壊し、優しかった義母を、ここまで変えてしまったマルチ商法の会社と、義母を引きずり込んだ販売員を、私は決して許しません！
スポンサーリンク